『BALLAD ~名もなき恋のうた~』

先日、クレヨンしんちゃんファンとしては悲しいニュースがありましたが、
ある意味、それを凌駕する悲しさを味わうかもしれない、
そんな事を考えながら、メチャメチャ低い所にハードルを設定して鑑賞しました。
単純に映画として比較した場合、
やはり、クレしんの『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の足もとにも及ばない出来でしたが、
まぁ、ある意味、それも予想の範囲内だったので。
頭をからっぽにして観た分、それほど腹は立たなかった。
っていうか、「腹が立たなかった」って、
そんな低い基準で評価してる時点でアレなんですが。
映画の物足りない部分や説明不足の部分を、
前に観た『嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦』の記憶が勝手に脳内で補完しちゃって、
初見での正しい感想が述べられないんですよね、、。
それでもやっぱり気になったのは、
・又兵衛と廉姫を最後に会わせちゃダメじゃないの?
アニメ版では、想いを伝えられない秘かな恋、という設定だからこそ、
二人の思いと、しんちゃんの健気さが心にしみて、切なくて、泣けるわけで。
あそこで二人を会わせちゃうと、最後の廉姫のセリフの重みが無くなっちゃう気がするけど。
コレじゃ普通の現代の恋愛ものみたい。
・実写でやる以上、やはりタイムスリップの根拠をもう少し描く必要があったんじゃないの?
・アニメ版における又兵衛としんちゃんの"男の約束"。
これがアニメ版の中盤からラストにかけてストーリーの肝となっていて、
最後にしんちゃんが脇差が受け取る際に観客の号泣を誘うんですが、
この"男の約束"が描かれないせいで、最後の脇差を受け取るシーンを唐突に感じちゃって、
一番の泣き所なのに、全く泣けない。
・草彅は、演技上手いと思うけど、時代劇は向いてない。
時代劇口調が全くハマらない。
こんなところでしょうか。
でも、まぁ、事前に思っていたほどは酷くなかった。
良く作った方だと思います。
でもやはり、このストーリーは、
「しんちゃん」という圧倒的パワーを持ったキャラが主人公だからこそ面白いんだなぁ、と。
そう思いましたね。