2009-05-22

グラン・トリノ

もう公開も終わろうという時に、
ようやく滑り込みで観ました、『グラン・トリノ』。

事前にベトナム戦争後のモン族が移民としてアメリカにやってきた経緯だとか、
アメリカの70年代~80年代に自動車産業に従事していた人たちの社会的位置づけだとか、
そういう事前情報で頭をいっぱいにして観たので、
話の背景なんかが凄く分かりやすかった。

そして、とにかく素晴らしかった!!



いやぁ、何と表現したら良いんでしょうか、この感動。
とりあえず今年上半期見た映画No.1です。

とにかくクリント・イーストウッドが魅力的すぎる!
この映画を最後に、俳優業からはセミリタイアし、
監督業に専念すると言ってるそうですが、
とにかく、ほかの役者では考えられないくらい、
この役にハマってました!

古き良きアメリカを守り続けるがゆえに、
変わりゆく世間と、自身の家族とも断絶してしまい、
世捨て人のような生活をしていた、
クリント・イーストウッド演じる主人公ウォルト。

この主人公のキャラの立ち具合が本当に素晴らしい!
どこから見ても不機嫌そうでクールなたたずまいに、
時折見せるユーモアとチャーミングな表情。
久々に映画の主人公に惚れました・笑。

それに、この主人公の在り様が、
クリント・イーストウッド自身が持つパーソナリティーと重なって見えるんですよね。
何より彼自身、古き良きアメリカの象徴のような映画俳優ですし。

偏屈な老人が守り続けてきたアメリカの魂を、
72年式グラントリノを通じて移民の子(!)に継承させる。
話の筋立て自体は、とてもシンプルなのですが。
この映画は、何でこんなにも僕を感動させるのでしょうか。

この主人公を、
この物語を、
クリント・イーストウッドが演じ、
クリント・イーストウッドが撮る。

そのこと自体が、この映画に、
特別な意味を持たせているような気がしました。

ここ数作、クリント・イーストウッドは、
アメリカという国の在り様を描く作品を多く撮っていて、
そのどれもが素晴しい作品ばかりなのですが、
個人的に、この作品はその中でも最も面白いと思う。

少なくとも映画好きを自称している人なら、
絶対に見なきゃいけない作品だと思います。

もう公開が終わろうとしている時期に、
こんな事を言うのも今さらって感じですが、、、、激しくお勧め!!