2009-06-29

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』

いよいよ、公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』。
早速観てきました。



いやー、すごかった。

いわゆる「セカイ系」のはしりとも言われた、
TV版・旧劇場版の箱庭的世界観、内省的で閉塞していた物語が、
文字通り"破"壊され、外の世界に開かれた物語、
そして壮大なエンターテイメント作品へと、
生まれ変わっていました。

とはいってもそこは当然ヱヴァなので。
斬新な映像表現はもとより、
旧作からの特徴でもある人間の感情の本質を暴き出すような演出や、
観客のトラウマになるような衝撃的シーンも満載。

何より、テレビ版や旧劇場版を知っている人ならば、
誰もが衝撃を受けるであろう、驚愕の展開があって、
僕なんか冗談抜きに腰を抜かしました。

そして映画ラストに向かって高まり続けるフィルムのテンションと、
そのラストに待ち受ける最高のカタルシス!
泣いた!!

今回、映画公開前には通常では考えられない程の情報統制が行われていたようですが、
すべてこの展開のためだったんだな、と、見た瞬間に納得。
他の観客を見ても、皆、あえてその状況を楽しんでいた様子。
これこそ作り手と観客の、美しい共犯関係。

いやぁ、まだ物語が完結したワケではないのですが、
すでに現時点でアニメ史に残る大傑作の予感がビンビンします。

もう、続きが待ちきれない!!
前作の「序」から約2年。
今度もまた2年も待たされるのでしょうか、、、。

とりあえず、まだ初見。
近いうちに2回目を見に行ってきます。

最後に、竹熊健太郎氏のこの映画に関する発言を引用。

「旧作とは全然違う。
 確かに大筋は一緒だし『エヴァ』には違いないが、
 もう別作品と言っていい。
 前回の『序』であえてテレビ版の序盤そのままをなぞって見せたのは、
 これをやるための前振りだということがよくわかった。
 確かにこういう“リメイク”は見たことがない。
 テレビ版や旧劇場版も傑作だったけれども、
 今度の『ヱヴァ』がもしこのテンションのまま完結するようなら、
 おそらく50年後も語り継がれるような大傑作になると思う」