2008-11-18

『HUNTER×HUNTER』考察

東京でTB brothersというDJユニットをやっている、
年下の友人二人組みがいるんですが、
その一人E君から昨夜、数年ぶりにメールが来ました。
何だろうと思って読んでみると、、

「今週のH×H読みました?!ヤバいっすよ!BLOGで取り上げてくださいよ!」

というような内容でした。
数年ぶりに来た連絡がそれかよ!と突っ込みたくなったのですが・笑、
僕も今週のH×Hを読んで、ちょっと思うところがあったので、
コレを機会に取り上げようと思います。

ちなみに、『HUNTER×HUNTER』読んでない人は、
この記事は読まなくていいと思います・笑。

コレが今週号の肝になったページ。


「冷静に怒り狂う」ことを覚え、異形へと変貌したユピーから、
モラウとナックルは3分50秒後までの時間を、
何が何でも逃げ切らなければならないが…果たして?
という、H×Hの特徴でもある「コンゲーム的な面白さ」が満載の展開です。
この見開きの背景が幾何学模様なのも狂ってていい感じ。

ところでこの展開なんですが、僕は別の意図も感じました。
作者・富樫が珍しく読者に直接的なメッセージを送ったのでは?と。

「怒りとは撒き散らす物ではなく、何かに向けるもの」
と言いながら人ならざる異形の者へと変貌を遂げたユピー。

コレは、秋葉原の事件に端を発する、
今年起きた一連の無差別殺人事件に対するアンチテーゼでは?と思ったのです。

僕は、富樫は極めて少年誌で冒険活劇を描いていながらも、
極めて作家性の高い漫画家だと考えています。

思えば『幽々白書』の後期、
週刊連載の過酷さに耐えられなくなり、
肉体・精神共に破綻をきたしそうになっていた自身の状況すら、
仙水と樹というキャラクターを通して作品に落とし込み、
鬼気迫るような表現をしていました。

そういう点からも、
今週号のこの台詞や展開を通して
漫画、オタクカルチャーを牽引してきたものとしての
ある種の責任を取ろうとしている作者の意思が見えるような気がするのですが、、、。

まぁ、実際のところは分かりません・笑。
でも、こういう深読みに耐えうる強度を持った作品ってそう多くは無いし、
少年誌の週刊連載では皆無だと思います。

なので、結論としては結局、
「富樫、スゲェよ。」
というところに落ち着くんですが、
その言葉は作者が漫画のラストまで
休むことなく書ききった時に改めて言いたいと思います・笑。

どう考えても休みすぎだろ、ホント、、。
今はまたアシスタントも使ってるって聞いたんですが、
この遅筆っぷりはどうにかならないのでしょうか、、。
せめて290話でまた休載になるまでに、
ある程度キリのいいところまでストーリーを進めて欲しいなぁ、、。

あと3週、、、無理か、、、orz