2008-09-25

『私とハルマゲドン』 竹熊健太郎

また読み返しました。
『さるまん』の原作者にして、漫画編集者でもある、竹熊健太郎の著書。

『私とハルマゲドン』

10年以上前に『quick japan』で上筆された、
80年代のオタク第一世代とオウム真理教の関連性についての文章を、
より深く掘り下げ、まとめ上げられたもの。

竹熊氏は言います。
「君たちも、あの時、ドキドキしながらテレビを見ていたんじゃないか?私もそうだ」と。

終わらない日常に辟易していた僕達は、
心のどこかで、世の中を変えてしまうような「デカい一発」を望んでいたのではないか。
そのことについて、僕は今も考えることがあります。

オウムも、ノストラダムスも、
結局はこの世界を何一つ変えてくれなかった、ということについての絶望。
そういう雰囲気って、90年代後半から00年代初頭にかけて起きた色んな事件にも、
深く影を落としているような気がするのは僕だけでしょうか?

この作品は竹熊氏の自伝的な作品でありながら、
80年代の空気感や、オタク的なるものの本質、
世紀末にオウムが生まれた背景などを知ることができる、
ある種の歴史的な資料にもなっています。
とても面白い本です。